2011年11月04日

尺八、私の練習法

おはようございます。
今日は、私がたまに実践している尺八練習法について解説したいと思います。


まず、必要なものは尺八本体、そして耳栓です。
そう、この練習法は、たんに耳栓をつけて練習するというだけの話です。

なぜ、耳栓おつけるかというと・・・演奏中には身体の内部で一体どんな音がなっているのか、を知るためです。
結局のところ「うまくなる」ということは、「身体操作がうまい」ということです。
自分の身体を思うとおりにコントロールできれば、誰でもうまく吹けます。

とはいえ、そこのところが一番難しい。
だから、耳栓で外部の音を防いで内部に耳を傾けるのです。
演奏中の人間の身体って、結構いろいろな音が鳴っているんですよ。
例えば、指を動かす時の骨のこすれる音であったり、口中を駆け抜ける息の音であったり。
そういった、自分の中のことを知れば、より良い演奏の助言になると思うのです。
ようするに「己を知れば、百戦危うからず」というやつです。

それに、これには五感の一つを塞ぐことで集中力を高める効果もある気がします。
私の場合は、この状態で乙〜大甲まで一音一音つながりを確かめながら、息をコントロールして吹き。
それに満足したら曲を吹くようにしています。

まぁ、よかったらこういう練習法もあるんだと参考にしてみてください。


葛山幻海
posted by 幻海 at 08:26| Comment(0) | 尺八練習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月08日

地無し尺八の吹き方

おはようございます。
今日は、地無し尺八の吹き方について私見を述べたいと思います。


さて、まずは地無し尺八の定義について少し話しましょうか?
地無し尺八と現行の尺八の違いは・・・

【現行尺八(地塗り尺八)】
・尺八内部を地(漆地・下地など)を入れて均一にしている
・音高の計算から指孔を割り出している(例:3孔を下げている)
・歌口の入れ方が昔のものと違い、強度が増している
・中継ぎを入れて、調律しやすくなっている
・楽器として音量と音律を重んじられる

【地無し尺八】
・竹内部は節を削っただけで、均一な筒状ではない
・中継ぎは無いものがほとんどで、延べ管である
・歌口を入れているものもあれば、無いものもある
・指孔は十割り・九割り・九半割り(※注)などの法則を使われている
・法器として音色を重視される

※注 十割り=長さの10% 、九割=長さの9% 、九半割り=長さの9.5%

地塗りと地無し尺八の違い地塗りと地無し尺八の違い

と、明確な違いについては上記のようなところでしょうか。
音色の重視については、人それぞれである人は「枯れた竹のような音色」といったり、「藪を吹き抜ける風」といったり、「牧歌的な雰囲気」といったり、好みによる差異は大きいです。ようは、自分が面白いと思える音であればよいのかと・・・ちなみに私は「煤けた音」がいいと思っているのですが・・・

それで、題にもある通り、地無し尺八の吹き方についてですが、上記でみていただいたように構造にしろ、その楽器の思想にしろ、地塗りと地無しでは大きく異なるものだと感じてもらえたのではないかと思います。つまるところ、私が言いたいのは楽器の構造が違うのだから、吹き方もそれに見合ったものにしないと100%の能力は引き出せないということです。

と、そろそろ長くなってきたので続きはまた明日にでも


葛山幻海
posted by 幻海 at 08:49| Comment(0) | 尺八練習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月10日

地無し尺八の吹き方〜続き

おはようございます。
地無し尺八の吹き方の続きを書きたいと思います。
前回は、地無しと地塗り(現行)尺八の違いを大まかに説明しました。


さて、題名に「地無し尺八の吹き方」といったからには、それについて語らねばなりますまい。
結論からいうと、地無し尺八は柔らかく力まず、ボワッとした息遣いで吹かないといけません。

以下、解説。
まず、地塗り尺八(現行の尺八)を吹くときに、まず習うのは「唇を引いて、細く鋭い息を出す」ってことだと思います。確かに、地塗り尺八だと内部が筒様ですのでこの方法は有効です。
しかし、地無しの場合、管内部は節ごとに部屋が連続するような構造になっています。その部屋を通り抜ける為には、狭い出口を通らないといけないのですが、その時に息がつっかえるのです。

尺八吹き方.jpg地無し気流

※図が汚くて申し訳ない。何となくわかってもらえればいいので、そっとしといてください。

この図も参考にイメージしてほしいのですが・・・例えば、人の出入りする混雑しているドアがあります。そこに全速力で走ってくる人がいたら、他の人にぶつかったり、驚いたり、とにかく余計に邪魔になります。けど、ゆっくり相手をよけながらいけば、混雑していてもすり抜けることが出来るのは明白でしょう。
つまり、地無しの中でも同じことが起こっているのです。どんどん、全速力の突撃隊が来るのでつっかえて、むやみに消費していってしまうのです。

それだったら、地塗りのほうがいいや、って思うかもしれませんが、この地無しの構造にもメリットはあるのです。地塗りは、筒状、言うなれば一部屋です。だから、響きも一部屋分しかありません。しかし、地無しはいくつもの部屋に分かれているので、それぞれが響き、お互いを増幅器として共振する効果があるのです。だから、地無しは何となく倍音の多い、柔らかい音がするのです。

まぁ、それぞれ一長一短です。その特徴を引き出すように心がけたり、一方の方法をもう一方に当てはめたりすれば、尺八の発展にもなるんじゃないかと私は思います。この説明で、地無しを吹く参考にでもなれば幸いです。


葛山幻海
posted by 幻海 at 08:36| Comment(0) | 尺八練習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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