先日、山梨県に行く直前に書いた「尺八の練習 腹式呼吸の仕方」の続きを書きたいと思います。
まずは、前回のおさらいを・・・
前回は、簡単に腹式呼吸と胸式呼吸の違いと腹式呼吸の練習方法について解説しました。
胸式と腹式の違いは、要約すると「空気を吸った肺のふくらみ方の違い」でした。下記に参考資料を用意しましたので、それで何となくイメージを持ってください。

その時、「なんでこんなまどろっこしいのに腹式呼吸をするのか」の説明が出来なかったので、それを補足します。
で、この違いが一体なんなのかというと「空間」の違いなのです。つまり、大きな部屋(腹式)と小さな部屋(胸式)ですね。実際の部屋のイメージと平行してイメージしてもらいたいのですが・・・
・胸式の場合、肋骨(鉄筋)に胸囲の筋肉(コンクリート)がみっちりと埋め込まれた部屋です。部屋の大きさも固体であらかじめ制限されています。
・それに対して腹式の場合、胸部にゆとりがあり、しかも内臓は柔らかいので広がりもできるゆったりとした部屋を作ることが出来ます。
少し飛躍しますが、例えば自室で手を叩く時とコンサートホールなどの広い空間で手を叩いたのでは、反響が違いますよね。そういった違いが身体の内側で起こっているということです。
こういった事は、微々たるモノと思われるかもしれませんが、プロの声楽家と一般人の歌声ではその響きに雲泥の差があるように、また与える感動も異なるわけです。本当に上手くなりたいと思ったら、大切なのは小さな積み重ねだと私は思います。おっと、少し説教くさくなってきたので、これにて退散
葛山幻海