今日は、私がたまに実践している練習方法の一つで「脱力法」について解説したいと思います。
前回「尺八の疲れない持ち方」で説明したこととあわせて活用してください。
尺八吹きの上級者を見れば、皆さん驚くほど楽そうに力を入れずにもたれていると感じると思います。
それに反して、初級者であったり、上級に今一歩足りない人って、すごく指に力が入っていたりしますよね。
じゃぁ、その力みをとってあげようというのが今回の練習法です。
本来なら、少しずつ毎日の練習で力を抜いていくのですが・・・できれば早くうまくなりたいと思うのは誰もが同じです。そういう方の為に、私がとっておきの方法を伝授します。それは・・・
それは・・・「無茶苦茶疲れている状態の時にあえて練習する」です。
さて、解説しましょう。
これは「指に力が入るのを自分で制御できないのなら、元から力を入れられない状態にしてやればいい、そしてそれを体験する事で力みの無い指使いを身体に覚えさせてしまおう。」というのが、この練習法のコンセプトです。というかそれだけです、簡単でしょ?
別に尺八を何時間も練習し続けて疲労困憊になる必要もありません。例えば、仕事が終わってもう早く寝たいって思うような時・山登りした後みたいな、疲れまくって体に力が入らないって時にあえて尺八を練習するのです。音なんか出なくてもかまいません。疲れている状態で尺八を持ち、指を動かすだけでも効果があります。
そうこれなら、元から力が入らないんだから、力みようがないんですよ。そして、力を入れないで尺八を持てる自分を認識し、身体に覚えさせることで上手く脱力できるようになるのです。
指が楽に動かせるようになれば、音の移行も滑らかに。余裕も出来てメリ・カリも安定します。
もし、指に力が入るようなら、一度といわず何度でもこの方法を試してみてください。
葛山幻海