2011年11月08日

地無し尺八の吹き方

おはようございます。
今日は、地無し尺八の吹き方について私見を述べたいと思います。


さて、まずは地無し尺八の定義について少し話しましょうか?
地無し尺八と現行の尺八の違いは・・・

【現行尺八(地塗り尺八)】
・尺八内部を地(漆地・下地など)を入れて均一にしている
・音高の計算から指孔を割り出している(例:3孔を下げている)
・歌口の入れ方が昔のものと違い、強度が増している
・中継ぎを入れて、調律しやすくなっている
・楽器として音量と音律を重んじられる

【地無し尺八】
・竹内部は節を削っただけで、均一な筒状ではない
・中継ぎは無いものがほとんどで、延べ管である
・歌口を入れているものもあれば、無いものもある
・指孔は十割り・九割り・九半割り(※注)などの法則を使われている
・法器として音色を重視される

※注 十割り=長さの10% 、九割=長さの9% 、九半割り=長さの9.5%

地塗りと地無し尺八の違い地塗りと地無し尺八の違い

と、明確な違いについては上記のようなところでしょうか。
音色の重視については、人それぞれである人は「枯れた竹のような音色」といったり、「藪を吹き抜ける風」といったり、「牧歌的な雰囲気」といったり、好みによる差異は大きいです。ようは、自分が面白いと思える音であればよいのかと・・・ちなみに私は「煤けた音」がいいと思っているのですが・・・

それで、題にもある通り、地無し尺八の吹き方についてですが、上記でみていただいたように構造にしろ、その楽器の思想にしろ、地塗りと地無しでは大きく異なるものだと感じてもらえたのではないかと思います。つまるところ、私が言いたいのは楽器の構造が違うのだから、吹き方もそれに見合ったものにしないと100%の能力は引き出せないということです。

と、そろそろ長くなってきたので続きはまた明日にでも


葛山幻海
posted by 幻海 at 08:49| Comment(0) | 尺八練習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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